太陽光発電所の現状と未来
再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT/FIP)の施行に伴い、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを使った発電施設が普及してきました。特に大型の太陽光発電(メガソーラー)にいたっては、仕掛人の政府が予測する以上の施設整備がなされ、買取価格の下落は著しいものとなっています。
しかしながら、建設された大型の太陽発電所の立地状況を見ると、価格の安い用地を求めてか山林が多く、樹木等を伐採して土地造成工事を行う開発行為が少なくありません。
本末転倒とはこのことでしょう!
二酸化炭素(CO2、温室効果ガス)を吸収してくれる樹木を伐採してどうするの?何のための地球温暖化防止なの?
ため池ソーラーのポテンシャル
NEDO再生可能エネルギー白書(第2版)による「水上空間(湖沼・ダム水面)」での導入可能ポテンシャルとして、38,797Mw(38.8Gw)として推計されています。これは耕作地・耕作放棄地に次ぐ3番目に大きい導入可能ポテンシャルとなっています。
国が定める2030年目標の再生可能エネルギー発電容量(太陽光発電分)53Gwに対して、2016年の施設稼働実績の
約18Gwは34%の達成率であったので目標には程遠い値です。そのような状況で直近のFIT価格低下に影響される施設稼働容量の鈍化が進む中、ため池ソーラーのポテンシャルは有望なシーンと言えます。
ため池を取巻く現状
ため池とは、主に農業用水を貯留し供給する目的で築造された貯水池を指します。江戸時代末期に先人たちが農業の発展のために作り広めた灌漑技術の一つです。
そのため、ため池の維持・補修・修繕等の管理はその水の供給を受ける農家や農業団体が行っています。
農家の後継者や農業従事者が多かった頃は問題なかったが、後継者不足の近頃では賦課金増や農業団体の弱体化が相重なって、ため池の維持管理等に支障が出てきていることを農業団体から耳にします。
農業支援で地球を治す
エネルギー産業と農業とのマッチングにより、農業の衰退や農家の後継者不足に歯止めかけて、ついでに地球温暖化も止める一石二鳥も三鳥も見込める働きがため池ソーラーにはあります。
農業団体の自己財源創出を支援
ため池も維持管理が必要で、その費用は行政からの補助金や土地改良区・水利組合・財産区等で負担しているのが現状です。農家の後継者が減少する一方でその費用負担は年々厳しくなっており、ため池の維持管理者は独自の財源確保が急務になっています。
我々は、農家の負担軽減と農業団体の自己財源創出支援として、重荷になりつつあるため池の多目的利用を進めていきます。